朝の風景

Corwin

 あさ、明るい朝。
 曙光が夜気を払い朝露が煌き小鳥たちが一日の始まりを歌う健康的な朝。

 が、もちろん第三新東京市のとある一部の場所ではそれはあてはまらなかったりする。

 「ん……んみゅ、ぷふ」
 「は(クチュ)ん、んんっ(チュル)」
 
 その例外である場所には、朝の光を厚いカーテンで曇らせた室内に、淫らにぬめった水音と、爛れた鼻声が二種類響いている。
 音源であるベッドの上には、三人の少年少女が居る。
 少年――シンジは、何も身につけていないまま眠りに就いている――すぐわきに寝間着代わりのシャツやパンツが落ちているところを見ると、何者かに服を脱がされてしまったものらしい。
 その顔は安らかなものではなく、時折眉を寄せたり顰めたりとせわしない……まあ、それが苦痛のせいでないのは乱れている寝息の熱っぽさからすぐにはっきりするが。
 
 「んぅ……(ふは)もう……シンジったらこんなにしてあげてるのにまだおきない……」
 
 唇を占領していたペニスを吐き出し、鈴口をいとおしげに舌先でくすぐりつつそんな事を呟いているのは惣流アスカラングレー嬢。
 汗ばんだ額に赤い髪を貼り付かせ、蒼い瞳を欲情に霞ませて零れる先走りを掬い取る様は淫蕩極まりない。

 「く、ん(ちゅ)いかりくん、昨日も遅くまで実験につきあわされていたから……(あむ)」
 
 だから、疲れて起きれないのだろうと、そう言いたいらしい。
 慮るような事を言いつつ、それとは裏腹に早く射精させてしまおうというように幹を舌の腹で舐めあげ、唇で食んでは擦りおろすという愛撫を加えているのは綾波レイ嬢。
 透き通るように白い貌を、シンジの先走りとアスカと自らの涎でべとべとに汚しながら、嬉しげに口唇愛撫を続けている。
 
 「でも、もうそろそろ起きて欲しいのに……こら、シンジぃ、起きないとこのまま夢精させちゃうわよ」
 
 アスカはそう言いつつ手を袋に伸ばすと、滴る液体を塗り込めるようにやわやわとくすぐった。
 ――二人掛かりの唇の愛撫で射精する事を夢精というのかどうかはともかく。

 「ん……あ、な、なに……?」



 その動きが限界水位を越えたか、シンジが寝ぼけとも快感のせいともつかないぼやけた声を上げる。

 「おはよ、シンジ♪」
 「おはよう、イカリくん……」
 「あ、お、おはよう二人とも……」

 朝の挨拶に律義に応えを返してから、シンジは戸惑ったように二人を見つめる。

 「その……二人とも、なにしてるの?」
 「決まってるじゃない」
 「フェラチオしていたの」
 「……っ」

 直截にその行為そのものの名称を言われてシンジの頬が赤くなる。
 その反応を見た二人のかおに悪戯っぽい表情が浮かぶ。

 「あら?何赤くなってるのよ、シンジ」
 「いつも、もっと凄い事をいっぱいしているのに……」
 「そうよね……いつもだと、レイとセックスしたすぐ後のべとべとに汚れたものをほとんど無理矢理みたいにアタシに綺麗にさせたりするのに」

 その動きを思い出しているのだろうか、物欲しげに開かれた唇から、濡れた赤い舌がちろちろとひらめき、何かを舐めあげるような卑猥な動きを見せている。

 「私は碇君がアスカとやさしくキスしている間中、射精するまでずっと勃起したペニスをしゃぶらされたわ……まるで、奴隷みたいに」

 本来なら糾弾の言葉になるはずのそれは、うっとりと浸りながらあらぬ方を見つめる上気したレイの表情と、何かをかたどるように唇にピストンを加えている指のぬめりがそうではないことを物語っていた。

 「そ、そんな、風に、言わないでよぉ……」

 自分のした行為をことさらいやらしく言い立てられ、それをなぞるような淫らな動きを見せられてシンジが興奮に掠れた声を上げる。
 それがますます二人を駆り立てる。

 「嫌じゃないくせに……ほら」

 事実、言われるうちにますます昂ぶりを増した剛直は一回り体積を増しており、それを握っているアスカの手に熱い鼓動を伝えるようになってしまっている。
 その熱さを楽しむ為に、彼女の手はゆるゆるとペニスを這い回り、ときどききゅ、と握り締めてその弾力を感じ取ったりしている。

 「ここも……上がってるわ、出したいのね(かぽ)」

 レイはそう言って射精が近い事を知らせる睾丸の動きを指摘すると、それを引き戻そうとするかのように唇に咥え込み、舌の上で存分に味わった。
 柔らかな舌が絡み付き踊る時に生まれる鈍い、しかし押し留めようもなく性感を責め立てる快感にシンジは震え上がる。

 「うぁ……や、止め……あやな……っ!」

 制止の声は、見計らったように(事実レイと動きを合わせてのものだ)アスカが鈴口の辺りを唇で覆った事で途切れてしまう。
 もちろんただ覆うだけではない。
 軽く吸い、それと併せてまるで精液の通りをよくしようというかのようにレロレロと舌先を切れ目に食い込ませては左右に弾くという動きを繰り返しているのだ。

 「は……あ!ああ、アスカ……あやなみぃ……っ!!」

 更にはそうして柔らかな唇の刺激に合わせ、開いている茎部に二人のしなやかな指が絡み付き、時には握り、時にはぬめりを利して素早く上下して扱きあげ、シンジに実際にヴァギナに挿入しているかのような錯覚を与えてくる。
 意志が――シンジを昂ぶり果てさせようという意識が存在しているぶん、快感は優るとも劣らない。
 たちまちのうちに限界が迫り、まるで女の子のようなよがり声を上げつつシンジは喉を晒して仰け反った。

 「あ、ぼく、も、もぅ……く、ああっ!あ?!」

 そのまま達する、正に直前に二人の動きが停止される。

 「あ、ひ、酷いよ二人ともぉっ!」

 オーガズムの直前で止められる切なさに僅かに涙を浮かべて抗議するシンジ。
 その様子に満足げに微笑むと、二人はお詫びにというかのように淫らなショーを始める。

 「レイ……」「ん、交代……ね」

 レイの顎をアスカの指が、まるでキスをする時のように誘導し、それにしたがったレイがゆっくりと顔をもたげる。
 そのまま、唇の間にペニスを挟んだままで深いキスを交わし合いはじめる。

 「んふぅ……ん(ちゅぷ)んむぅ」
 「……くふ、ん(くちょ)ふぅ……」

 くなくなと柔らかい器官が固く張り詰めた亀頭にこすり付けられ、捏ね回される。
 二人掛かりで唇と舌とで、敏感極まりない先端の粘膜にだけフェラチオを加えている訳だ。
 そのあまりのいやらしさに――特に、紅と蒼の瞳が見透かしたように卑猥な流し目を投げかけてくるとあればなおさらだ――シンジは背筋をゾクゾクと戦慄が這い登るのを感じていた。
 当然、その慄きは、いじめられ続けている鈴口の鋭い快楽と一つになってシンジの心を熔かし崩していく。
 目が離せないままに見入り、果てたいという欲求ともっと快感を味わっていたいという相克にふるえつづけてどのくらい経ったろう。
 二人の唇が離れ、ペニスの先端と二つの桜色の膨らみを銀の糸が繋ぐ。

 「レイ……どうだった?」
 「碇君の味がしたわ……とても、濃い」

 恥ずかしさを覚える台詞なのだろうが、既に脳髄の芯までを快感で染め抜かれているシンジにはそれが認識できない……只、荒い息をつきながら、見詰め合う二人の表情を眺めるばかりだ。

 「じゃあ、続きね」

 そう言うと、アスカは鼻先を擦り付けるように刺激しながら顔を下へ降ろしていく。
 その間も視線を合わせて笑みを湛えつつシンジを見あげている。
 シンジはといえば、その挑発のあまりのいやらしさに瞳が更に潤みだしてしまう。

 「んふ……ん♪」

 それを満足げに見つめたまま、舌を突き出してシンジの玉をくにくにと転がし、口付けするアスカ。
 ひたすらシーツを掴んで震えるばかりのシンジに、今度はレイが追い討ちを掛ける。
 先端の肉の実をぱくりと咥えると、ごくゆっくりと舌先で回しはじめたのだ。
 そう、ごくゆっくり……アスカが今しているように、昂ぶらせても決して達しさせはしない刺激で嫐り続ける。

 「は、あぁ……も、あぅ……ねぇ……も、もぅ……」

 焦らされている、そう自覚してしまうと堪えようも無かった。
 甘えた声を上げ、催促の呻きを上げてしまう。

 「だ〜め♪もう射精だなんて許さないわよ」
 「碇君、いつも私たちをいっぱい焦らすもの……だから、これはそのお返し」

 そう、こうして焦らされるとアスカもレイも、切なげな泣き声を上げながらただ絶頂を乞うようになってしまう。
 シンジもまた二人掛かりで焦らされて、主導権を完全に喪ってしまっていた。

 「で、でも……ほんと、に、もぅ……だめだよぉ……ぼく、くる……っちゃうよぉ……っ」

 身も世も無く涙に濡れた声で哀願するシンジ。

 『なんでも言う事きいてくれる?』

 そんな彼に投げかけられるのは、いつも自分が彼女たちにしている問い。
 ここ3日ほどは出来なかったが、彼は毎晩のように二人に同じ言葉を問い掛けては、全面的な降伏を取り付けて互いの欲望をぶつけ合ってきたのだ。
 
 シンジには拒否する理性も理由も無かった。

 「いいわ……じゃあ、今日はずうっとアタシたちを愛してくれる事」
 「全身、碇君のザーメンでどろどろになるまでセックスして」

 条件にならない条件に何度もせわしなく肯くと、二人はにっこりと花開くような笑顔を見せる。

 「じゃあ」「これはご褒美」

ふにゅ
 
 太股に感じるのは4つのやわらかな感触。
 たわわな二つと、それよりは控え目とはいえ平均を越えている膨らみが二つ。

 「ご、ほうび?」

 目をやれば、屹立するペニスのすぐ傍に、卑猥に形を歪ませた白い丘が4つ。
 興奮の為か既にすっかり勃起し、愛撫されるのを待ち焦がれているような乳首のピンク色の目を射る。
 
 「パイズリっていうんだよね……全く、男ってのは、こんなやらしいこと考え付くなんて……変態よへんたい!」

 それにしてはアスカの声色はやけに嬉しそうだし、その視線は目の前に突きつけられたシンジのペニスに吸い付いたまま離れない。

 「二人でしてあげる……今の私たちの胸は、碇君の性欲処理の為に使われるの」

 静かに、いつもと変わりない声で。
 だが、淫らな事を口にして、レイも昂ぶっているのだろう、その呼吸は物欲しげに半開きになった唇から行われ、熱い気流がシンジのものをくすぐった。

 「「んっ」」

 二人で息を合わせて身を乗り出すと、柔らかな肉丘にペニスが包まれた。
 性器に感じる、今までのどれとも異なる感触にシンジは息を漏らして身を強ばらせる。

 「んふふ……ぴくぴくいってるぅ……」

 ふぅ、と息を吹き掛けるたびに、二人の胸におさまりきらない突き出た前半分が震え、欲望の雫を零す。
 それが楽しいのか、2人してはぁはぁと息を吐き掛けている。

 「ひ、ひどいよぉ……も、じらさないって……」
 「あ、ごめんね」

 謝るアスカ。
 一方でレイは、言葉を放たないままに行動で謝罪を示す。

にゅ……る

 既にシンジのペニスは二人の唾液と先走りで十分に潤っている。
 だから、レイが身体を上下に揺すりだし挟み込んだものを刺激しはじめた時、そこには引き攣れは全く起こらず、動きの全ては快感に直結していた。

 「うぁ……あや、なみぃ……」

 快感にとろりと溶けたシンジの濡れた喘ぎに触発され、アスカもまたまけじと動きはじめる。

ニュル、ヌル……

 柔らかな肉丘にもまれ、扱かれ、シンジは強い愉悦を味わっていた。
 湿った音と二人の上げる息遣いが聴覚をくすぐり、そこからもシンジは快感を得る。
 それだけでも達しそうな気配だったが、アスカは更なる追い討ちを掛けた。

ちゅ

 「ふぁ?!あ、あすか?!」

 上下するたびに行き来するものに惹き付けられたか、いや、更にシンジを気持ちよくさせたいとそう思って、彼女は律動に併せてペニスの先端にちゅ、ちゅとキスを降らせはじめたのだ。
 シンジの快感の曲線が急上昇する。
 二種の異なる柔らかさと快感、それがシンジを絶頂へと駆り立てはじめた。

ちゅる

 一つ増えた。

 「あ、あやなみぃっ!!」

 アスカの行動に触発され、レイもまた同じ責めを加えはじめる。
 二つの唇が、時には動きを併せて亀頭を滑り、かと思えば交互に途切れなく左右で刺激を加える。
 そうやっていいように翻弄されながら、シンジは絶頂が目前に迫るのを感じていた。
 
 「な、んで……っ、こ、こんな、はやくから……あっ!こ、こんなこと、して……?」

 そんな最中、ふと浮かんだ疑問――日頃の姿以上にあまりにも積極的な今朝の行為。
 それが、息も絶え絶えの疑問となって投げかけられた。
 その言葉に、ふと二人の責めが緩む。
 少し視線を外すようにうつむくと、答える。

 「だって……この3日、ずっといかりくんは忙しくて私たちとセックスしてくれなかったもの」
 「さみしかったんだからね……二人で抱き合ったって、シンジが居ないともうだめなんだから……」

 ある点では卑猥な、だがそれだけに、そしてそれ以上に想いの篭った言葉にシンジの心が震わされる。 
 二人はそう言ってたまらなくなったのか、互いに抱き合い、切なさをぶつけるようにペニスを胸の膨らみで押しつぶしもみくちゃにする。
 同時に、キス紛いに舌先を触れ合わさせながらペニスをぺろぺろと舐めたくりつづける。

「ぅあ、あ、あすか……っ、あやなみ……っ!!」
 
 二人の名を呼び返した瞬間、シンジの我慢が弾けた。

ビュクンッ!!

 「あっ」「熱い……」

ドクッ、ドクンッ!!

 うつつなくその熱い精液の感覚を呟く二人に、なおも白濁が降りかかり続ける。
 額に、瞼に、形良い鼻先に、頬に。

ドクンッ!

 何より、待ち受けるように突き出された舌と、物欲しげに開かれている唇に大量の精液が注がれた。

 「凄い……」

 呟いたアスカは、顔を覆うシンジの精液の熱さにうっとりと浸り込み、自らの乳首をせわしなく弄っている。
 イってはいないが、それに近い状態なのは確かだ。

 「碇君、イカリ、くん……」

 呟きながらもレイはなお奉仕の手を緩めてはいない。
 まるで更に絞り出そうというかのようにペニスを胸ではさみ込み捏ね回している――同時に、自らの乳首をこすり付けているが。
 射精がおさまると、ほぅ、と満足げなため息が二人のどちらからとも無く発せられる。
 ふと、先に気づいたレイがシンジのペニスへと吸い付いた。
 先端から垂れる精液の残りを掬い上げ、そのまま尿道の中の残りを吸い取ろうというのだろうか。

 「あ、ずるい、レイ」

 追いかけるように合わせてきたアスカの唇を喜んで迎え入れると、2人してシンジの精液を吸い上げる。

 「くぁ……そ、そこ……だ、め……っ!」

 おさまりつつあるとはいえあれだけ激しい絶頂の直後、苦痛と紙一重の激しすぎる快楽にシンジは声を上げて悶えた。

 「シンジって、うそつきよね、レイ?」
 「ええ……こういう風に、最後まで綺麗にするよう私たちに覚え込ませたのはいかりくんなのに……」

 責める言葉を睦言のように呟かれ、シンジは絶頂の余韻でくらくらする頭を上げる。

 「んふぅ……」「ん、もっと……」

 見れば、二人は彼の精液を分け合っての卑猥なキスの真っ最中であった。
 互いの顔を清めるように精液を掬い取り、唇を合わせてはたっぷりと互いの唾液と混ぜ合わせ、相手の舌ごと啜りあう。
 淫猥の度があまりにも過ぎる……それゆえ、シンジのものはいつものように萎えないばかりか、今すぐにでも再戦が可能なほどに堅く漲っていた。

 「「んく……んぅ(ちゅく)ふ、むぅぅ(ぴちゅ)」」

 最後の精液を舐め取った後、二人はそのまま互いの舌を貪るキスへと移行していた。
 それは、即時の責めはシンジにも辛いだろうという配慮と、等分に在るお互いへの想いが昂ぶった結果だった。
 うっとりと浸り込み、甘い鼻声をユニゾンさせる二人に、シンジは軽い嫉妬と激しい愛情を同時に感じてしまっていた。

 「っっ!!」

 その感情に後押しされて、少年は素早く身を起すと二人を抱きしめ、ベッドにひっくり返した。

 「「きゃ?!」」

 突然の動きに驚きの悲鳴を上げるアスカとレイ。
 そこにかけられる言葉。
 
 「じゃあ、約束通りにしてあげるよ」

 二人を同時に組み敷いたシンジを、僅かに驚きの視線で見上げるふたり。

 「そ、その、もういいの?」
 「うん……まだ全身がざわざわいってるけど、それよりもっと強く「してあげたい」って、そう思うから」

 いつに無くはっきりと驚きを滲ませた、可愛いと言えるレイの様子に軽く微笑みながら答える。

 「た、たんに、溜まってただけなんでしょ」

 強がったアスカに見透かしたようににこりと笑いかけるシンジ。

 「そうだね……だから、3日分たっぷりしてあげるよ」

 その笑みに期待と戦慄を感じた二人は、どちらともなく抱きしめあった。

 「いかりくん……」「こ、こわさないでね……」


 
 今日はまだはじまったばかりだった。
END?

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