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「君が望む永遠」

たまにはゲームの感想なぞ



 いや、はまりました。 「長い」とか「はまったら抜けれなくなる」とか聞いていたので、ちょっち敬遠していたのですが、手を出してしまいました。
 ・・結果轟沈(爆)

 好みが分かれる内容ではありますが、完全にツボにきました。 日常生活どころか仕事にも支障が出る始末。 睡眠時間は極端に減るわ、飯を食う時間も惜しいわで・・

 以下、感想など。 当然ネタバレです。

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【はじめに】

 タイトルは「君が望む永遠」 発売元はアージュ 

 これだけ売れたゲームですからネット上には多くの関連サイトが開かれ感想や意見があふれています。 その中の否定的な意見で多いのが「長くて退屈」及び「主人公がプレーヤーの意図通りに動かない」というのがあるでしょう。 確かにこの長い長い物語の中で選択肢が出る個所はごくわずか。 シナリオによっては「自動文字送り」をオンにしていると、それこそ何時間もマウスをさわることなくゲームが進行しますから。

 しかも、せっかくプレーヤーが腹を決めて選択しても、主人公の鳴海孝之君は「・・やっぱりできない」とか「・・・どうすればいいんだ」とか言いながら(笑)後戻りしてしまうし。

 このゲームの目的を「狙った相手の女の子を攻略する」とみれば、確かにシナリオは冗長だわ孝之君ははっきりしないだわでストレス溜まりまくりでしょうな。

 でも、これはその手のゲームじゃないです。(キッパリ)

 恐らくこのゲームが楽しめた人はある程度本を読むのが好きな人じゃないですかね。 最初にクリアしたときは、それこそ分厚い小説を徹夜で一気に読んだような感覚がしました。 で、また読み始める・・(爆)

 こういう一人称かつ主人公視点で進む物語というのは小説ではよくあります。 でも、映画やTVでは(一部場面を除いては)主人公を外から見る第三者的視点で進みます。 したがって本作品を含めてシナリオ重視のギャルゲーというのは一人称の小説に近い。 でも、相手が見えるし、しゃべるし、効果音は鳴るし、BGMも流れる。 いま、映画やTVでも自分が主人公になって自分の視点で物語が進むものが開発中と聞いていますが、現段階ではゲームにのみ許された表現形式。 しかも、分岐するシナリオを自分で選択できるというインタラクティヴな世界。

 だから、これは一般的な18禁ギャルゲーではなく、主人公になったつもりで物語世界をたのしむ一種の体験型ドラマであるといえましょう。 ・・いや、「苦しむ」ですね(笑)

 ストーリーそのものは、昼メロにでも出てきそうな三角(四角)関係ドロドロもの、という言い方もできますが、完全自分視点で体験できるだけに強烈そのもの。 あとは主人公たる孝之君にどれだけ感情移入できるか、がポイントとなるでしょう。

 で、問題の孝之君ですが・・・


【鳴海孝之論】
 〜はたして彼は本当に「ヘタレ」なのか〜

 最初に書いとくと、私と孝之君とのシンクロ率は極めて高いです。 血液型も同じO型だし(笑)

 プロローグである第1章の出だしはそれほどでもなかったですが、遙とつきあい始めてすぐ(終業式の日)、水月と慎二にかまわれたときに二人のせりふ聞いててキレそうになって、そしたら孝之君がホントに切れてくれて、一気に感情移入できました。 その後もプレイしていて「むかっ」と来たときには怒ってくれるし、悩んだときには悩んでくれるし、だから、孝之君と気持ちよく一緒に泣けました。 ・・いい年こいて恥ずかしいけどね。(笑)

 ネット上では孝之君の評価は相当低いです。 曰く「ギャルゲー史上、最低の主人公」。否定的なところでは「くそやろう」「ヘタレ王」「最っ低」(笑)、好意的な意見でも「優しさと優柔不断を取り違えている」と言ったところでしょうか。

 ホントにそうかなあ?

 孝之君は、相手の心を、痛みを感じる事ができて、なおかつ真剣に考える事ができる、優しい男だと思いますよ。 もう少し相手の心の裏側を覗ければ完璧ですが、さすがにそれは無理な注文でしょう。 自分がどう思うか、よりも相手がどう思うか、を優先しちゃう。 それが、「優柔不断」と言われちゃえばそれまでですけどね。 でも、相手の気持ちを無視して自分の考えを押し通す、そんな人間とつきあいたいですか?

 孝之君は頭が良くて、感受性が強い人間です。 相手の考えている事がわかりすぎちゃう。  作中でも言ってますよね。もう少しバカだったら、こんなに悩まないのに、ってね。 しかも、相手の考えている事、話している事に真剣に答えようとしている。 その結果が孝之君のもっとも得意なせりふ?である「・・・・・・・・・」になってくると思うんですよ。

 そして、その結果他人から非難される事も受け入れる。 慎二君も言ってますけど、「やっぱ強いわ・・」 ふつうだったら他人から非難されるのがイヤで、当たり障りのない事を言いませんか?

 特に第2章の孝之君には、それを強く感じますね。 第1章と比べて格段に成長しています。 シナリオのかき分けが見事。

 確かに、性格的にはちょっと弱いところも、流され易いところもあります。 遙シナリオでも水月シナリオでも、結局は女のほうから別れてもらってるし、他のシナリオでは辛い現実から逃避しています。 でも、それは彼が他人の事を真剣に考えた結果でしょう。 あゆも言ってるでしょ? 「人間は一人で生きているわけじゃないんだから、自分で決めれるコトもあれば、自分じゃ決められないコトもある」ってね。

 人間って奴は、凄く強いところもあるけど、凄く弱いところもあります。 どんな人でもね。それは人生経験を積んだものにしかわからない。(最後までわからない人も多いけど)

 私は自分で言うのもナンですが、かなりタフな人間です。 でも、もうかなり昔になるけども、ある事で肉体的にも精神的にも、ものすごくプレッシャーがかかって、つぶれかかった事があります。 夜の海岸で「このまま何もしないで朝が来るまで逃げていれば・・」と考えていて、そしてそれを考えていたことに気づいて愕然としました。 自分はこんなに弱い人間だったのか、ってね。

 いまでもあのときの驚きは鮮明に思い出せます。 それからですね、いろんなコトが許せるようになったのは。

 孝之君は20そこそこで様々な経験を積みました。 だから他人にあんなに優しい。 自分が「弱い」ことを自覚しているから。

 遙シナリオのラスト付近、病院の屋上での慟哭シーンに素直に同感できる人が、この長い長い物語(あえてゲームとは言わない)をホントに没入して楽しめる人でしょう。 人を選ぶ作品です。

 「じゃあ、お前が孝之と同じ立場なら同じような行動をとるのか? それならばお前もヘタレだ。」と言われればその通りなんですがね(爆)

 やらなくてはならない決断を先延ばしにしてしまう。 確かに弱いかもしれないですね。 でも、どちらを決断しても誰かを必ず悲しませてしまう。 そんなコト簡単に決断できますか?

 だから、孝之君が遙と水月のどちらを選ぼうが、辛い現実からファミレス組や看護婦に逃げようが、気持ちはわかります。 と、いうか、私なら逃げそう・・ トホホ

 シナリオによっては、とんでもない行動および決断をしてしまう孝之君ですが、あの1ヶ月の孝之君は完全に壊れかかってますからねえ。 自分があんな状況に巻き込まれない事を祈るのみ。(オイオイ)

 以下、各シナリオでの感想をば。



【遙エンド】 〜彼女が差し出す小さな希望〜

 自分的には、これがベストエンド

 いや、遙萌えであるのは確かです(笑) 特に最初の目覚めの時の記憶混乱時の遙が、も〜可愛くて可愛くて。 アレで指を絡ませないのは犯罪行為です(爆)

 選択は簡単。 と、いうか、第1章から続けてプレイすればほとんどの人がこのエンディングに行くのでは? あとは浮気をした水月を見てキレ無ければ大丈夫(笑) キレれば水月バッドエンドへ直行。

 これが「ベストエンド」である理由ですが、それは水月エンドの感想の裏返しなんですよね。 孝之君と遙と、そして水月が「悲しみを優しさに」変える事ができるチャンスのあるラスト。 慎二君にもチャンスが残るし(笑)

 このシナリオでの水月の壊れっぷりが見事。 やっぱり水月には「親友が意識不明の間に恋人を寝取っちゃった」という後ろめたさが残ってるんですよね。 そして、孝之に対しても同じような後ろめたさを感じています。 水泳をやめた本当の理由を話せなかったコトをね。(このことは本シナリオでは触れられませんけど)

 だから、水月は遙が目覚めた事で不安と、罪悪感と、戦わざるを得なくなります。 特に孝之君の心は急速に遙に戻ってゆく。 その気持ちもわかるし、心の奥底ではその方が正しいだろうと言う事もわかっている。 でも、孝之君と離れられない。・・そりゃ壊れますよねえ。 そこら辺のプロセスが丁重に表現されているから水月と簡単に別れられない孝之君の気持ちもよくわかります。

 でも、孝之君が遙を選ぶのが、やっぱり正解と思いますね。 遙が目覚め、遙に対する想いが動き出した時点で、孝之君の水月に対する想いは「今までこれだけの事をしてもらったのに、捨てるなんてできないよ」に変わってしまったから。 孝之君本人は水月に対する愛は、そんなものじゃないと思いこもうとしていますが、やっぱりそうなんですよね。

 孝之君が悩むのは、遙と水月のどちらを選べば「自分が」より幸せなのか、を考えないからですね。彼の判断は「自分の事を想ってくれる相手を、どうやれば悲しませないですむか」に集中しちゃっているから。 不可能な事を悩んでるんですよ。 当然思考は無限ループに陥る。 そして遙の差し出すわずかな希望(いつかはまた、笑って会える日がくるかもしれない)にすがるんです。この希望を差し出す事ができる分、遙は他のどのヒロインよりも強いんです。

 でも、遙のその「前向きな優しさ」は、結局は遙自身も認めているように孝之君が引き出したものです。 遙の優しさ、素直さ、まっすぐな気持ちは、すべて孝之君が引き出したものです。 もっと自信を持っていいぞ、孝之君。

 孝之君が遙に「愛と安心」を与える事により、遙は孝之君に「喜びと希望」を与える事ができる。 孝之君が最後につかんだものは、やっぱり孝之君が自分の力で勝ち取ったものです。

 このシナリオでだけ、孝之君はエンド後に心の中に「封印した記憶」を持たなくても済みます。 他のシナリオでは(・・まあ、一部を除きますが) シアワセには成れるけれども、やっぱり心の奥底には、時間と共に風化はするだろうけれども、押し殺した思いが残るはずです。 でも、このエンド後でだけは、水月の事を感謝と共に思う事ができるはずです。 それはもちろん、自己中心的で自分勝手な思いではあるでしょうけれども、でも、人間というものは、結局はそういうものです。 だから、孝之君にとってもコレが「ベストエンド」

 「遙萌え〜」で、「このシナリオ以外は見ない!」という人でも、少なくとも水月シナリオと茜シナリオは見ましょう。 遙の気持ちが一層理解できます。んで、もいちどこれをやる。
 さあ、遙以外を選べるか?(笑)


【水月エンド】 〜心に刺さったままの棘が抜ける日は〜

 「マヤウルのおくりもの」の伏線の張り方といい、最後の絵本のエピソードからのエンディングへのつながりの演出といい、また、遙のけなげさがかもし出す悲しみといい、本シナリオが本作品の「真の」エンディングである、と言う感想はよく見ます。

 ・・ですが

 これが本当に二人に幸せをもたらしたんでしょうか? 確かに、水月は孝之君を愛しているし、孝之君も水月を愛しています。 でも、二人の心の中には間違いなく「棘」が刺さったままです。

 性格的にも二人は似合いだし、相性も一番いいでしょう。 孝之君に最初に告白したのが水月ならば間違いなくベストカップル。 でも・・

 結局二人は、「遙という棘」を心に刺したまま暮らさざるを得ません。 ラストでは遙も、茜も二人を許したかのような表現が出てきて泣かせます。 でも、本当にそうなのかな、というのが正直な感想ですね。

 茜のオリンピックでのインタビュー記事や「むらかみはるか」名義の絵本は、結局は二人が信じ込みたい想いにすぎません。 第一、「ほんとうのたからもの」を書いたのが遙であるという確証はどこにもありません。

 そして、本当に遙が書いたものであるとしても、やっぱり二人は遙に顔は合わせられないでしょうね。 悲しみの中で二人だけの絆を頼りに暮らしていくしかありません。

 水月シナリオの遙を見て「彼女のほうが水月より強い」という感想をよく聞きます。 そして、遙シナリオの彼女を見て「遙のほうが前向きで心が広い」とも。 だけど・・

 単に性格上、「水月は思いをストレートに出す」けど「遙は思いが内にこもる」タイプという違いだけではないか、と思うんですが。 遙は、本当は孝之君にそばに居て欲しいんだけど、状況を考えて「仕方がない」と思いこもうとする。 そして水月は罪悪感に責められながらも孝之君にそばにいてもらいたいコトを態度や言葉に出す。 その違い。

 水月も、遙も、同じくらい脆くて弱いんです。 遙の負い目は、自分の責任ではないにしろ、「3年間眠っていた」こと。 だから遙は強がって見せ、自分から別れを言い出します。 孝之君は遙の気持ちを、想いを知っていながら、その強がりにすがるしかない。

 このシナリオの遙に対する孝之君の悲しみと、遙シナリオでの水月に対する孝之君の悲しみの違いが両シナリオの終わった後の感想そのものです。 遙シナリオでの孝之君は水月に対して「ありがとう」と言えるけど、水月シナリオでの孝之君は遙に対して「ごめん」としか言えないんじゃないかなあ。

 水月シナリオの、「その後の」遙にとっては「この悲しみはいつか優しさになる」かもしれないけど、孝之君と水月にとっては忘れる事のできない悲しみであり続ける、そんな気がします。

 選択肢は簡単。 「俺には水月しかいないんだ〜」と叫びつつ、心を鬼にして遙に冷たく当たり、男らしく(笑)きっぱりとつきあっている事を告げればOK.。

 しかし、この後でもう1回第1章をやったら水月、本当にかわいそうだよなあ。彼女の不幸は3年前からずっと続いているんだよねえ。 水泳に打ち込む事によって悲しみを振り切れば良かったのに。 才能はあったけど、彼女が水泳をそこまでは愛していなかった事が不幸の最大の原因だったのかな、と思います。

 水月を見ていて、佐々木ゆう子の「PURE SNOW」がずっと頭の中で鳴っていました。3年前の曲だけど、そのものズバリじゃん。


【水月バッドエンド】 〜グッドラック孝之君(爆)〜

 ・・まあ、理性を失っちゃいかん、ということで。

 解決策は、水月を殺して埋めるか、誰も知らないところに逃げるか。 ・・孝之君の性格だと「逃げる」になるでしょうね。


【茜エンド】 〜すべてを捨てる覚悟はあるか〜

 き、気持ちは、まあ、わからなくもないけど・・ 孝之君、これはまずいよねえ。

 確かに茜ちゃんは可愛いし、素直だし、けなげだけどさあ。

 結局は遙を捨て、水月を捨てて別の道を進むわけだけども、ドロドロから抜けたかったのもわかるけど、一層ドロドロなんじゃない? これは。

 ラストで「君が望む永遠」か流れるところを見ると、これもトゥルーエンドらしいけど、そうは思えない。 遙は二人を許したような表現だし、茜ちゃんはそう思っているようだけども、ホントかなあ?

 幸せになろうと思うのならば、二人ですべてを捨てて、何もかも忘れて、すぐにでも町を出ていく事を薦めますね。 いや、ホント。

 遙が2回目に意識不明になったときの茜ちゃんを見てればわからなくもないけどねえ。
孝之君がよかれと思って行った行動はすべてが裏目に出る。 どんどん状況は悪くなる。せめて一つだけでも守りたい、と言う気持ちはわかりますが・・

 しかし、水月相手では虚勢を張れた遙も、茜が相手ではひたすら弱気。 あ、あの状態の遙を捨てるのか? ・・さすがにシンクロ率低下。精神汚染状態(爆) 

 茜シナリオの茜ちゃんは、どのエンドであっても、壊れちゃってます。 遙シナリオの水月の壊れっぷりよりも酷い。 だから孝之君が放っておけないのもわかるんですがねえ。
 だから、茜シナリオは他のどのシナリオよりも痛い。 孝之君、あんたはホントに茜ちゃんを愛してるのか?

 幸せそうな茜ちゃんを見たいのならば、やっぱ遙シナリオでしょう。 このシナリオを見て茜ちゃんの気持ちを理解した上でも、やっぱりそう思います。

 このエンドに行き着くには、はっきり言って大変です。 酔っぱらいに絡まれた水月を助けないけど見舞いには誘い、大雨の日に遙の見舞いには行くけども、遙の願いはすべて無視する。

 ・・私は、そうまでして茜ちゃんと付きあいたくはありません(笑)


【茜妊娠エンド】 〜孝之君が壊れる日〜

 実はこのシナリオの孝之君が一番男らしい。 ・・ある時点までは。

遙が2度目に目覚めなくなってからの腹の括り様は良いですね〜。 これで遙が目を覚ませば本当にベストエンドだったかもしれない。(茜ちゃんとの事を除けばね) 水月との別れもキッパリしてるし。


 だけど・・ ここまで痛いシナリオをよく考えつきますなあ。 鬼だ・・

 いや、驚愕の事実を知った孝之君は完全に壊れます。 これは壊れるな、うん。
従ってこの後の孝之君の行動はすべて精神錯乱状態での行動です。 まあ、茜ちゃんもとっくに壊れてたけどね。

 茜ちゃん寄りに行動して、酔っぱらいに絡まれた水月を助けずに、見舞いにも誘わなければこれに入ります。 その後は分岐なし。

 なんでこれが茜妊娠エンドなんだろう・・・


【茜バッドエンド1・2】 〜い、痛すぎるぞ・・〜

 茜エンドに向かう途中で
人間として当然の選択をするとこちらに行きます(爆)

 遙シナリオでは壊れた水月を見れますが、ここでは壊れた遙を見る事ができます。 さすがに孝之君を水月にとられるのは強がりの姿勢をとる事ができたけど、実の妹相手じゃねえ。

 とにかく茜シナリオはトゥルーでもバッドでも痛すぎます。
 茜ちゃんとは徹夜の看護までにしておきましょう。 酔っぱらいに絡まれた水月を助ければ抜けられます。



【あゆエンド】 〜可愛い・賢い・格好良い〜

 大空寺あゆは、このゲーム全体で、孝之君と同世代の中では間違いなく一番頭が良く、洞察力がありますね。 自己表現は思いっきりへたくそだけど(笑) そこがまた可愛い。

 2回目以降のプレイでバイトの休日を土曜日にして、あゆ&まゆと一緒にお祭り行って、あゆのお誘いを受ければOK。 あっと、携帯の番号を教えとかないと絶対にだめ。
 あとは水月とのケンカの最中にかかってきた電話をとる。(とらないとバッドエンド)

 で、電話をとれば水月とケンカの最中にあゆが家に来る事になります。ここからが・・

 「私はパンを焼いてあげました・・」ではじまる「君望」屈指の名場面が開始。
ぐぉ! 大空寺さん、しびれますよ! 口ゲンカであんたに勝てる奴はいねぇ!

 「合鍵も投げてよこすとかっこいいわよ」 ・・一度でいいからこういう決め台詞を吐いてみたい(笑)

 あとはあゆに引きずられるように孝之君はドロドロから抜け出してエンドへ。 人生の悲惨な面ばかり見てきてすっかり自虐的になっている孝之君には、あゆが一番お似合いかもしれない。


 まあ、あゆも孝之君も、あゆが言うとおり、「勘違いしてるのさ」「なんとなく寂しいから誰かをそばに置いておきたい・・」かもしれないですけどね。 でも、幸せというのはそういうものかもしれない。

 ラストのオチがいいです(笑) 笑いながらエンドクレジットを見る事ができる唯一のシナリオ。

 ・・うちの近所にも「すかいてんぷる」あればいいのになあ(爆) あ、あくまで2001年の夏以前の橘町店に限るけどね。


【あゆバッドエンド】 〜これも人生だよなあ〜

 すべてに中途半端な、孝之君が誰一人として幸せにできず、そして自分も不幸なままのエンディング。 電話をとるかとらないかでこうまで人生が暗転するとは・・


【まゆエンド】 〜それさえも恐らくは平穏な日々〜

 複雑な人間関係に、ほとほと嫌気がさした孝之君が逃げ込んだ先がコレ(笑)
うん、気持ちはわかるぞ! ていうか、私なら迷わず逃げるね。 ちょっと情けないけど。
 黙っていても水月は別れてくれるわ、遙もさすがに愛想を尽かすわで悩む必要もないぞ。健さんと大空寺が全面的にバックアップしてくれるし。

 まゆといっしょなら、きっとすべてを忘れられる。 忘れりゃいいってものでもないだろうけど。 一番後腐れがないシナリオではありますね。 ・・「まことか!?」(笑)

 あゆと同じルートで、あゆのお誘いをすげなく断り、最後はすぐに追いかければOK。 追いかけなかったらバッドですよ。 ラストのあゆの台詞が最高。 ・・次の日はバイトに行くのが怖いけど(爆)

 柱にぶつかったり、こけたりしたときのリアクションが大好きです。
まゆまゆの口癖の「御意!」は、わたしも一時口癖にした事があったので妙に懐かしかったなあ。

 

【まゆバッドエンド】 〜心の平安をつかんだ男〜

 うむ、実は隠れベストエンド?

 孝之君は十分苦しんだ。 もう、すべてのしがらみから解放されてもいいでしょう。

 メインシナリオと、サブシナリオでの別格扱いの蛍シナリオを除いてはエンディングの曲は「終わりを迎える日まで」が流れます。 このシナリオでもそう。

 でも、ここだけは別の曲が流れて欲しかったですね〜
その曲とは、もちろんオフコースの名曲「眠れぬ夜」。

 ♪ 愛のない毎日は 自由な毎日 誰も僕を責めたり 出来はしないさ〜


【文緒エンド】 〜男だもの、しかたないよね(汗)〜

 全部のシナリオの中で、唯一真のバッドエンド。 なんたってエンディングすら流れないんだモンなあ。 文緒っちの誘いに乗ると速攻でこのエンドへ直行。 時間がないときには最適かも(笑)

 据え膳食ったら男の破滅 ・・気をつけよっと。


【蛍エンド】 〜永遠に飛び去った最強の白衣の天使〜

 このシナリオの孝之君は、まるで別人。 他のシナリオでは相手が孝之君を求めるのに対して、このシナリオだけは孝之君が積極的に自分から蛍を愛し、蛍を追いかけるから。

 2回目以降のプレイで、必ず医局もしくはナースセンターに顔を出し、文緒っちの誘いは断って、蛍の誘いは受ける。 そして2回目の誘いも受けるとこのシナリオに入ります。
 1回目だけなら他のシナリオに復帰できます。 つまり、蛍だけは(水月を除けば)エッチシーンを見た後に他のヒロインを選べるという特性があります。
 ・・・さすがは白衣の天使(笑)

 その後はもう、蛍以外には目が向きません。 水月とはすぱっと別れ、遙を支えながらも本心をうち明けます。 ああ、なんて男らしいんだ! これは、孝之君が、このシナリオでだけ、「自分は」どうしたいのか、に集中できたから、だと思いますね。 結局は孝之君の自己満足に終わったのかもしれない、のだけども。

 当初、このシナリオがメインシナリオであったという話も聞きます。 納得できるほどのストーリー展開。 泣かせようと考えられたお話に、素直に乗る事ができました。 いやあ、最初にプレイしたときは、自分がこんなに泣けると知ってびっくりしましたよ。(笑)

 ラストに、このシナリオでだけ「君が望む永遠」オルゴール・バージョンが流れるのが、このシナリオの特別性を象徴してますね。

 2回目以降はやや耐性ができたとはいえ、最後の手紙のところではやっぱり泣けます。
このシナリオでは文緒っちがホントいいですよねえ。 コレ見とかないと、遙シナリオでの最後の文緒っちの涙が理解できません。
 また、孝之君が水月にふられたと知った慎二君の嬉しそうな声を聞く事ができます(笑)

 オープニングに一瞬だけ、アージュのホームページにある蛍のサイドストーリーの場面が出るの、知ってますか?  


【愛美エンド】 〜彼女が望む永遠〜

 いや、ノーコメントです。私の中ではこれはなかった事に(爆)

 でも、このシナリオじゃないと見れないイベントもあるんですよね〜。
病室でのヘビ花火イベントとか、モトコ先生の名台詞「記憶力は大丈夫?」とか。
 そうそう、慎二君との殴り合い寸前のマジの会話もこのシナリオのみ。
慎二君の鼻毛抜きってのもありますね(笑)
必見のシナリオでは、ありますが・・

 ・・いろいろ噂を聞いて最後まで見たくない人は、キスさえしなければ大丈夫。
帰れます。 辛いけども、まともな世界へ(爆)


【健さん、モトコ先生、そして慎二君】

 健さん、サイコ〜! 押しつけるでもなく、嫌みをきかせるでもなく、さらりと説教できるのは豊かな人生経験の裏付けがあるからか? きっと、辛い事、悲しい事をたくさん経験してるのかなあ、と思います。 理想の上司、とは思わないけど、知り合いになりたい人ナンバーワンですね。 健さんのおかげで孝之君の精神はかろうじて崩壊しなかったのかも。


 モトコ先生。 愛車がズダボロのディアブロというのは置いといて(笑) ・・まあ、いい人です。 よく気がつくけど、言わなくてもいい事まで口に出しちゃうのは、お節介な証拠か?
 中途半端に口に出しておいて、「まあ、プライベートには口を出さないけど?」はなんともね。 「いい人」が無理にクールを装おうとしているのが、ちょっち、いらつく嫌いがありますね。
 唯一とも言える不満が、作画上の理由もあるでしょうが、院内でのくわえタバコ。タバコを吸うシーンでだけくわえさせた方が良かったね。 立ち絵の芝居の多さを考えればそれくらいは無理なくできたような。

 ・・ なぜ、モトコ先生の攻略はできないんだろうか・・(爆)


 そして、慎二君。 ・・第1部はともかくとして、第2部の彼は好きじゃないな。 孝之君の親友? ホントか? 彼が水月を好きなのは、見てりゃわかる。 第2部の彼の言動が彼が好きな水月の幸せを思っての事であるのもわかる。 でもなあ。

 結局慎二君は何がしたいんだろう。 水月に今現在の幸せを続けて欲しいのか? 孝之君の気持ちはどうでもいいのか? 踏ん切りのつかない孝之君にいらつくのは解るけど、孝之君が何を悩んでいるのかを一番理解できるのも彼じゃないのか?

 親身に相談に乗ってやれないのは、水月が孝之君が好きで、その水月を自分が好きだという、心の奥底での葛藤が原因なのですかね。

 どうでもいいけど、第1章の冒頭、水月の「シンジ君」と言う声を聞いて、おもわず「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ・・」と、つぶやきたくなったのは私だけでしょうか?(笑)


【おわりに】

 賛否両論があるゲームではありますが、ゲームシステムそのものの評価は全般的に高いですねえ。 とくに「自動文字送り」は非常に良かったです。 選択肢が少ない第1章や第2章後半はほとんどマウスにさわることなく物語に没頭できました。 シナリオによっては数時間マウスにさわる必要がないため、モニタの自動節電機能が作動していきなり真っ暗になった事も(笑) セーブポイントもほぼ無制限。

 立ち絵の芝居の多さにも驚かされました。 そして、これだけ長いストーリーにテキストの使い回しもないことにも感心。
 音楽も良いですねえ。 使い方も上手いし。 衝撃のオープニングテーマ、感動のエンディングテーマ、どちらもストーリーからのつながりが絶品。 BGMでは「日射し」と「6月のメモリーアレンジ」がお気に入り。 ゲームのサウンドトラックを買ったのは初めてです。

 そして、ストーリーの重さ、充実感。 このゲームをより楽しめるかどうかは今までの人生経験が大きく左右します。 まさに、「真の」18禁ゲーム。

 最高でした。素晴らしいゲームを、ありがとう。

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